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花粉症で頭痛 「頭痛の2タイプ」と原因となる「副鼻腔炎」

花粉症の主な症状はくしゃみ・鼻水・鼻詰まり、目のかゆみ、が最もポピュラーですが、「頭痛」に悩まされている方もいらっしゃいます。
ここでは頭痛の2タイプ「片頭痛」「緊張型頭痛」の違いや、頭痛の原因ともなる「副鼻腔炎」について、花粉症患者の観点から見ていこうと思います。

花粉症で頭痛が起こる原因

花粉症で最も多いのがくしゃみ・鼻水・鼻詰まりなどの鼻炎症状ですが、頭痛を感じられる方もおられます。
これにはいくつかの原因がありますが、どれも花粉症と関係があります。

鼻水・鼻の炎症による酸素欠乏

花粉によるアレルギー反応や、強く鼻をかむことにより、鼻粘膜が炎症を起こします。
この部分は脳に近いので、頭痛として感じられることがあります。
また、鼻呼吸がうまくいかないため、頭に十分な酸素が送られなくなることでも頭痛が起こります。

睡眠不足

鼻詰まりを起こすと、入眠が困難になったり、睡眠の質が低下したりして、睡眠不足になります。これは頭痛を起こすとともに、免疫力が低下し、花粉症の症状を悪化させてしまいます。

副鼻腔炎

花粉症で鼻腔の炎症が続くと、鼻の奥の副鼻腔に膿が溜まったり、炎症を起こしたりします。
その結果頭痛が起こります。

自律神経の乱れ

自律神経とは呼吸や心拍など、意識しないで体をコントロールしている神経系のことを言います。
自律神経には2種類あり、その内「交感神経」が優位だと活動が活発になり、「副交感神経」が優位になるとリラックス状態になります。
花粉症ではこの副交感神経が異常興奮し、鼻・目・喉の粘膜から分泌物が多く産生されます。
これが鼻やのどの炎症につながり、さらに頭痛を引き起こします。

ヒスタミンの影響

花粉などのアレルギー物質が体内に入ると、侵入した異物を排除しようと「ヒスタミン」が分泌されます。
ヒスタミンは様々なアレルギー症状を起こすとともに、血管を拡張する作用があるので、頭痛が起こりやすくなります。

頭痛の2タイプ

片頭痛

何らかの原因で、頭蓋骨(ずがいこつ)の中の血管が拡張して起こるのが「片頭痛」です。
脳の血管が拡張すると、その周りにある三叉(さんさ)神経を刺激し、刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張して頭痛を起こします。

仕事の後、休日など、ストレスから解放されたときに血管が拡張し、片頭痛が起こりやすくなります。

症状は、

  • こめかみから目の上のあたりがズキンズキンと心拍に合わせて痛む
  • 体を動かして頭の位置を変えると痛みが増す
  • 片頭痛が起こる前に「肩こり」が起こる場合がある
  • 雨の日に発症することが多い
  • 吐き気・嘔吐・下痢などの症状を伴うことがある
  • いったん痛み出すと2~3日続くことが多い

などです。

片頭痛の対処法

こめかみを押して血が流れにくくしたり、痛む部位を冷やすなどすると効果があるといわれています。
血管がさらに拡張するような行為(入浴・マッサージ・運動)は避けた方がよいでしょう。

アルコールを飲むことも血管拡張につながるので、飲まない、あるいは少量にした方が無難です。

コーヒー・緑茶・紅茶などに含まれるカフェインは血管を収縮する作用があり、痛みを軽減します。
もっとも、飲みすぎは逆に症状を悪化させます。
また、日没後飲むのは避け、睡眠に影響が出ないようにしましょう。

緊張型頭痛

頭の横の筋肉や、肩や首の筋肉が緊張することによっておこります。
パソコンやスマホを使用する際、同じ姿勢を続けていると血行が悪くなり、頭痛症状が出ます。筋肉の緊張で血流が悪くなった結果起こる痛みです。

症状は、

  • 午後から夕方にかけて、目の疲れや倦怠感とともに痛みが現れる
  • 後頭部から首筋のあたりがギューッと締め付けられるように痛む
  • 吐き気や嘔吐などの症状は伴わない
  • 日常生活への影響は片頭痛ほどひどくない
  • 数時間で治まる場合と、慢性化する場合がある

緊張型頭痛の対処法

まず姿勢を正して、同じ姿勢で長時間作業をしないことが重要です。肩・首回りのストレッチを行うとこりがほぐれます。

片頭痛と逆に、温めることが効果を現します。
片頭痛は血管の拡張が原因ですから「冷やす」、緊張型頭痛」は血流が悪くなることが原因ですから「温める」必要があります。蒸しタオルを当てる、入浴、マッサージなどを取り入れてみてください

肩・首回りのストレッチをこまめに行いましょう。前屈運動も効果的です。

なお、片頭痛と緊張型頭痛が同時に起こることもあります。

副鼻腔炎

副鼻腔炎とは

鼻には鼻腔(鼻の穴)だけでなく、鼻腔を取り囲むように副鼻腔という大きな空間があります。
花粉症は通常水っぽい鼻水が出るのですが、それが粘り気のあるものになり、喉にひっかかる、というようになってきたら、副鼻腔炎の可能性があります。

自然に治ることもあるのですが、慢性副鼻腔炎になると、抗生物質による治療や、患部に抗菌薬を噴霧したり(ネブライザー治療)、手術などが行われます。

昔は口上部を切開するなどの、何か月もの入院を要する大掛かりな手術でしたが、現在では内視鏡を使った手術ができますので、入院期間も短くて済むようになりました。
私の父親も副鼻腔炎になり内視鏡での手術をしましたが、入院は1週間程度でした。

原因

副鼻腔炎の原因で最も多いのは風邪やインフルエンザなどのウイルスや細菌です。
この時に鼻の穴の粘膜が腫れると、その奥にある副鼻腔への空気の流れが悪くなります。
この段階で、内圧によって痛みを感じることもあります。

さらに副鼻腔が細菌感染すると濃い鼻水が出たり、痛みを伴ったり、発熱したりします。
これが急性副鼻腔炎です。
花粉症などのアレルギー反応で起こることもあります。

慢性副鼻腔炎では痛みはほとんどなく、鼻水が出る、臭いが分かりにくい、身体がだるいといった症状が出ます。

花粉症が原因になるとき

花粉症で副鼻腔炎になるケースは、特に「睡眠時の鼻詰まり」によるものです。
睡眠時あるいは入眠時は副交感神経が優位(リラックス状態)になっており、アレルギー反応が出やすくなります。

また、花粉が飛散しやすい時間帯は昼前後と日没後すぐで、これが影響していることもあります。
また、花粉症には花粉を吸い込んだ後すぐに出る「即時反応」と6時間以上たってから起こる「遅発反応」があり、その遅発反応が入眠時に出るということも考えられます。

鼻詰まり、そしてそのために睡眠不足になると副鼻腔炎になり、それが頭痛を引き起こすという連鎖が考えられます。ですので、花粉症の頭痛の解消には、まず鼻詰まりを改善することが求められます。

頭痛と鼻詰まりの解消

当然のことながら、花粉の暴露を最小限にすることが第一です。

外出時はマスクをし、帰宅時には服や髪についた花粉を払い落す。
部屋の窓を開けるのを最小限にし、布団の外干しを控える。
空気清浄機や加湿器(空中を漂う花粉が水分を含んで床に落ちることが期待できる)を使って花粉を除去する、などです。

基本ですが特にマスクは効果的です。
花粉はウイルスの約300倍も大きいので、マスクのフィルターで十分濾過できます。
花粉を分解して水に変えるマスクなども販売されており、花粉症対策の中核をなすものです。

もう一つは「抗アレルギー薬」と「抗ヒスタミン薬」です。
特に頭痛を起こす人は副鼻腔炎や睡眠不足になっている可能性が高いので、自分の反応する花粉が飛散している時期はしっかり薬を飲むことを心がけましょう。

鼻詰まりに関しては有効な方法があります。
それは「鼻うがい」です。生理食塩水(血液や体液と同じ浸透圧である0.9%の食塩水)を鼻から注入し、反対側の鼻、あるいは口から吐き出すという方法です。
なんとなく痛そうですが、体液と同じ浸透圧・温度(36~37度)の温水で行うと痛みはほとんどありません。

他に鼻腔拡張テープを使う、蒸しタオルを鼻に当てる、などの方法でも鼻詰まりを緩和することができます。

まとめ

花粉症が原因の頭痛の源は「鼻詰まり」、そしてそれが発展した「副鼻腔炎」であることが非常に多いことを見てきました。まずは鼻の症状を何とかしましょう。

頭痛の種類は大きく2タイプあり、一つは血管が拡張する「片頭痛」、もう一つが血行が悪くなる「緊張型頭痛」でした。前者は冷やすこと、後者はストレッチや温めることが有効です。

頭痛の対症療法としては市販・あるいは処方の「鎮痛解熱薬」があります。
強い順に「ボルタレン」>「ロキソニン」>「イブプロフェン」「アセチルサリチル酸(アスピリン)」=「エテンザミド」>「アセトアミノフェン」があります。

しかし、原因が花粉症、特に鼻詰まりである場合は、「抗アレルギー薬」「抗ヒスタミン薬」で、鼻の通りをよくする方向から検討するのが正攻法でしょう。

最後に、自然治癒しない副鼻腔炎や、頭痛の原因が花粉症でなく別の原因のものである可能性がある場合は、医師の診断を受けることを強くお勧めします。

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