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アトピー性皮膚炎対策室。基礎知識から予防・治療まで完全解説

アトピー性皮膚炎は子供に多い病気ですが、大人でも抱えている方も少なくありません。
アレルギー疾患ですから、広くアレルギーの知識と対策が必要です。

その他、スキンケア、外用薬、内服薬での対応も重要。特に「ステロイドは怖い?」といった疑問にも答えていきたいと思います。

アトピー性皮膚炎とは?

Atopic Dermatitis

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎とは、よくなったり悪くなったりを繰り返す、非常にかゆみのある湿疹を中心とする皮膚の病気です。
なかなか治らない慢性病であることが特徴です。
多くは乳幼児期に発生し、大人になるにつれて治っていく傾向にあります。

しかし、大人になっても発症、あるいは継続して治らないことも少なくありません。
一度発症し、治ったにもかかわらず再発することもあり、その場合かなり治りにくいとされています。

基本的にアレルギーの病気です。

アレルギーとは?

人体にはもともと、異物が侵入してきたら、それに対抗し排除する「免疫機構」があります。
アレルギーは、その免疫機構が過剰に反応し、自身にとって好ましくない症状を呈するものです。

アレルギーを起こす物質をアレルゲンといいます。
アレルギーを発症している人には免疫グロブリンに属する「IgE」と呼ばれる物質が産生されています。

世界アレルギー機構(WAO)の定義では、アトピーとは「主にたんぱく質のアレルゲンに暴露されIgEを産生する傾向のことで、IgEに対する高反応」だということになります。

典型的な症状として喘息、鼻炎、湿疹を示す場合が多いです。

アレルギーを起こしやすい体質

遺伝的な要因もあり、ご家族にアレルギー(アトピー性皮膚炎・喘息・アレルギー性鼻炎、花粉症・食物アレルギーなど)を発している人があると発症率は高くなります。遺伝要因は50%といわれています。

アレルギー性疾患とアトピー性疾患の関連は十分に証明されています。
また、皮膚のバリア機構が弱い人に多く見られます。

皮膚のバリア機構

人間の皮膚は外界からの刺激や異物の侵入を防ぐ役割を持っています。
人間は「水」を基礎にできている生物なので、皮膚は内部の水分が流れ出ないようにする役割も負っています。

皮膚は外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で成り立っています。
外側の表皮の一番外に「角質」があり、人体のバリア機能を担っています。

アレルゲンが皮膚から侵入するとそれを攻撃し、排除しようと免疫機構が「ヒスタミン」という物質を作り出し、そこから炎症・かゆみなどが発生します。
これを引っ掻くことにより炎症がひどくなり、皮膚のバリア機構がさらに弱くなるという悪循環に陥りがちです。

基本的対策

アレルゲンとの接触を抑える、スキンケア(肌の保護)、外用薬による治療、内服薬による治療などがあります。これらについて、後で詳しく記します。

年齢と症状の関係

アトピー性皮膚炎の最大の特徴は、我慢できないほどの「かゆみ」です。
しかし、年齢によって現れ方が違ってきます。

乳幼児は顔や頭に多く、幼児期になるとしだいに体の下肢に広がります。特に関節部分にできやすく、皮膚の乾燥が目立ちます。
思春期以降は顔や胸、肘、背中など上半身に湿疹ができやすくなります。

時期

湿疹が現れる場所

乳児期口の周りやあごなと、顔や頭に現れる
幼児期下肢に広がる。首、肘の内側、ひざの裏側など
思春期~青年期顔、首、胸、背中など上半身に現れる傾向がある

湿疹の特徴

  湿疹の特徴には以下のようなものがあります

  • とにかくかゆい
  • 眉毛の外側が薄くなる(ヘルトゲ兆候)
  • 炎症を起こした皮膚をなぞると、しばらくしてなぞった跡が白くなる(白色皮虜猫記)
  • 乾燥して表面が白い粉を吹いたようになり、強いかゆみを伴う
  • 赤い湿疹、結節などができ、激しいかゆみを伴う
  • 湿潤した局面から組織液が進出することがある
  • 慢性化すると、鳥肌だったようにザラザラしたものができ、皮膚が厚くなる
  • しこりのあるイボ状の痒疹ができることもある
  • 思春期以降は手指に症状が現れやすくなり、爪先から第二関節のあたりがひどく荒れやすい
  • 児童期は湿潤型で、思春期以降は乾燥型の皮膚炎を起こす
  • 湿潤型は主に首回りや肘・膝関節裏、乾燥型は頭皮・額・肩・内腿、内腕に発症しやすい
  • 乾燥型に切り替わるとき、湿潤型の症状は軽快する傾向がある

経過

アトピー性皮膚炎治療ガイドラインには「一般に慢性に経過するも適切な治療により症状がコントロールされた状態に維持されると、自然寛解も期待される疾患である」と明記されています。
しかし、「完治」ではなく「寛解」であり、「どう治すか」より「どううまく付き合っていくか」が求められる病気でもあります。

起こりやすい合併症

細菌感染では重度の湿疹病変から侵入した黄色ブドウ球菌などによる伝染性膿痂疹(とびひ)、ウイルスでは伝染性軟属腫(水いぼ)などに感染することがあります。
また、アトピー性皮膚炎患者が単純ヘルペスを罹患すると重症化することが知られています。

また、白内障や網膜剥離を合併するケースがみられます。
網膜剥離の原因は、特に顔面の症状がひどい際に、掻きむしったり叩いたりしてかゆみを紛らわせる行動によるものと考えられています。
白内障については「網膜剥離と同様、顔や眼のかゆみから強くこすったり叩いたりするからではないか」「水晶体は発生学的に皮膚細胞と同じ分類に入るため、アトピー性皮膚炎と同様な病変が起こるのではないか」といった説があります。
ステロイド外用薬の副作用も疑われましたが、外用薬との因果関係は不明で、結論としてはステロイド外用薬と白内障の関連はないとの考えで一致しています。

他のアレルギーとの関係

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アレルギーによっておこる疾患

アレルギー性疾患には「ハウスダストアレルギー」「ダニアレルギー」「花粉症」「食物アレルギー」などがあります。
特に鼻炎症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)眼科的症状(目のかゆみ、赤み)を呈することが多いです。
基本としては、アトピー性皮膚炎もほかのアレルギー症状も、「免疫機構の過剰反応」です。

アトピー性皮膚炎の人が気を付けること

他のアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)を遠ざけることです。
多重に病気を持ってしまうということだけではなく、アトピー性皮膚炎の方は皮膚の防御が弱くなっていることから、そこにアレルゲンが付着してしまいがちなためです。
ダニ・カビ・ハウスダストなどのアレルゲンのみならず、石鹸・化粧品・金属・消毒薬などの化学物質、汗、皮膚の汚れ、紫外線なども皮膚への刺激になります。

他のアレルギーの一般的な対策

ハウスダスト・ダニ・花粉症では、とにかく掃除が第一。
床はじゅうたん等を避け、でえきるだけフローリングにし、掃除機やモップ掛けをします。
花粉症ではマスク、玄関口で服についた花粉を払い落とす、加湿器を用いて空気中にアレルゲンが漂わず床に落ちるようにする、などの対策をします。
また、薬(抗ヒスタミン薬など)を内服するなど、薬学的治療も行います。

自分でできるアトピー対策

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入浴・シャワーにより皮膚を清潔に保つ

皮膚には汗やほこり、細菌などが付着しています。
その刺激で皮膚症状が悪化したり、感染症になったりします。
入浴やシャワーによって皮膚を清潔に保つことが大切です。

熱いお湯は使わず、39度くらいのぬるま湯で体を洗いましょう。
石鹸・ボディーソープなどは、そのまま使ったり原液をかけたりせずに、よく泡立ててからやさしく使います。
ナイロンなどでごしごし洗うのはNG。
できるだけ掌で洗うようにします。
また、洗いながら(洗浄成分がついている状態で)皮膚を掻かないこと、洗浄成分はよく洗い流すことなどもポイントです。

保湿剤を使う

体を洗った後は保湿剤で乾燥を防ぐことが重要です。
入浴後だけでなく、外出前後など皮膚が乾燥しがちな時に一日数回塗るとよいでしょう。
強くこすらず(刷り込まないで)、皮膚全体にやさしく塗り広げます。
衣服とこすれることも刺激になりますので、強くこすれる腰・脛、太ももなどの保湿に努め、肌に合わない衣服を避けるようにしましょう。

保湿剤には、角層内の水分を引き付けておくもの(ヒアルロン酸、水溶性コラーゲン、ヘパリン類似物質)、水分を引き付けたり角層を柔らかく保つもの(尿素製剤)、角質細胞間脂質であるセラミドを補うセラミド含有製剤、油で覆うワセリンなどがあります。

保湿剤の形態

保湿剤のタイプ特徴
軟膏皮膚を保護する力が強い
皮膚への刺激が少ない
ベタつく場合がある
クリーム保護力中間
軟膏よりベタつかない(肌の露出する部分にも使いやすい)
ローションさらにべたつかない(肌の露出する部分にも使いやすい)
広い範囲や頭皮にも使用できる。

入浴で皮膚にたまった水分は10分程度で蒸発してしまうので、入浴後はできるだけ早く保湿剤を塗るべきです。
水分を補給する化粧水タイプのローションを塗った後に保護や蒸発を防ぐ保護材を使うと効果的です。

服装や環境-日常の注意

服はできるだけ肌に刺激を与えないものを探し、自分に合った服装をしましょう。
あまりチクチクするものや硬い資材のものは避けた方が無難です。

洗濯の際は、洗剤を界面活性剤の効力の少ないもの、蛍光剤を含まないものが好ましいです。
すすぎも十分に行いたいです。
また、新品の服は一度選択してから着るとよいでしょう。

アトピー性皮膚炎の方はとにかく「かゆみ」に苦労されています。
これは普通の人が「かゆいなー」といったレベルではまったくなく、「耐え難いほどの強いかゆみ」です。
どうしても爪で引っ掻いてしまうこともあります。

しかし、掻くと症状は悪化し、細菌等の侵入にもつながります。
できるだけ掻かないようにしたいです。
爪も短く切り、手は頻繁に洗いましょう。
外出後や食事の後は特に要注意です。

また、掻く代わりに叩く方もおられますが、顔や眼周りを叩くと網膜剥離等思わぬ二次障害を引き起こしてしまうので、難しいですが、できるだけ我慢するように心がけてください。
どうしてもだめな場合、薬の塗布、服用を考えた方がよいといえます。

室内の温度や湿度にも注意が必要です。
クーラーやエアコン、ストーブなどで温度を一定に保ってください。
湿度が低すぎると肌は乾燥してしまうので、加湿器を使うことも検討されてはいかがでしょうか。
加湿機能付き空気清浄機が1~2万円台で販売されています。
加湿とともに、空気中のアレルゲンを減らしてくれるので便利です。

シャープ社のプラズマクラスター機能搭載型空気清浄機や、細かい粉塵を吸い取れるHEPAフィルターを搭載するタイプが候補に挙がるかと思います。
アイリスオーヤマ社製のペットアレルギー対応型の空気清浄機はフィルターが4層になっており、一番外側が使い捨てのものなどがあります。

アトピーと食べ物

乳児の食物アレルギーの原因となるものは「鶏卵」「牛乳」「小麦」です。
母親がそれらを摂って、母乳を飲んでいる赤ちゃんの皮膚症状が悪化する場合もあります。

大人のアトピーは子供のアトピーと違って食物アレルギーが原因となっているケースはほとんどないので、厳格な食事制限はありません。
しかし、アルコールや香辛料などの刺激物は、血行を良くして体温を上げる作用があるので、控えた方がよいかもしれません。

トランス脂肪酸はアトピーを悪化させる要因となることが近年の研究でわかってきました。
トランス脂肪酸のかわりにαリノレン酸を含むシソ油やごま油、DHAやEPAを含むサバ・イワシ・アジなどの青魚を多く摂取するようにしたいです。

腸内環境を整えることと、免疫機構の正常化は密接な関係があります。
ヨーグルトなどの乳酸菌、納豆に含まれるナットウキナーゼは腸内細菌のバランス適正化に活躍します。
同時に乳酸菌の餌となる食物繊維やオリゴ糖を摂取するとより効果的です。

バランスの取れた食事を採ることは健常者もアトピー性皮膚炎の方にも重要です。
ビタミン・ミネラル・アミノ酸・・・食生活をより良いものにしていきましょう。

アトピー性皮膚炎の外用薬

ステロイド外用薬

人間の体内では「副腎皮質刺激ホルモン」というホルモンが分泌され、血液の中に入って様々な働きをしています。
副腎皮質刺激ホルモンは免疫やアレルギーを抑えたり、炎症を鎮める働きがあります。

ステロイド薬はこの副腎皮質刺激ホルモンの化学構造をもとに作られた薬で、強力な抗炎症効果と免疫抑制効果があります。
ステロイド薬には内服薬と外用薬(塗り薬)がありますが、アトピー性皮膚炎の治療ではまず塗り薬が第一選択薬となります。
外用薬は患部にだけ働くので、内服薬より副作用が少ないです。

外用薬にはランクがあり、「Weak(弱い)」「Medium(普通)」「Strong(強い)「Very Strong(かなり強い)「Strongest(最も強い)」に分けられます。
症状の度合いや使用する部位により使い分けます。
ステロイド薬はかなりの効果を期待できます。

ステロイド外用薬の副作用としては「皮膚萎縮」「皮膚感染症の誘発」「毛細血管拡張」などがあります。

またステロイド外用薬によるプロアクティブ療法(アトピー性皮膚炎が寛解している際でも週に1~2回ステロイドを外用することにより再発・増悪を予防する)も各国で取り入れられています。
中途半端に使うとかえって症状を悪化させたり長引かせたりすることがあります。
医師の処方通りに、必要な量を必要な期間、きっちり使うことが大事です。

塗る際の注意

FTUという言葉があります。
フィンガー・チップ・ユニットの略で、軟膏の場合、人差し指の先から第一関節に乗る量で、約0.5gに相当するのを1FTUといいます。

これを湿疹を「覆うように塗る」のですが、医師の認知もまだ低く、「ステロイド薬をできるだけ薄くのばして塗る」と指導されることがありますが、これは間違いです。

また、外用薬を塗る前に十分に手を洗ってください。

免疫抑制薬

免疫抑制薬は、過度の免疫反応を抑えるための薬なので、皮膚を傷める可能性が極めて低いことが特長です。
ステロイド外用薬は皮膚を薄くする副作用がありますが、この副作用もほとんどないため、ステロイドの副作用が出やすい顔・首・肘の内側などによく使われます。

また、アトピー性皮膚炎特有のかゆみを抑える効果もあることから、長期のコントロールに適しています。
使い初めに塗布した部分に灼熱感や刺激感が現れることがありますが、多くは皮膚の状態がよくなるとともに消失します。
妊娠・授乳中は使用できないことになっています。

アトピー性皮膚炎の内服薬

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抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬

かゆみが強い場合、必要に応じて抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を使用します。
皮膚を掻くと症状が悪化するため、かゆみ止めと掻くことへの予防的な意味合いで使います。

アトピー性皮膚炎の場合だけでなく、アレルギー性鼻炎(ハウスダスト・ダニ・花粉症など)にも使用します。
私はハウスダストとダニに反応するアレルギー性鼻炎を持っていますが、抗ヒスタミン薬を服用すると見事に鎮静化します。

ステロイド内服薬

外用薬や他のケアで効果が出ないほど重症の患者には、炎症と免疫反応を強力に抑えるためステロイド内服薬を使うことがあります。
強力な作用がありますが、強さ・量・期間・維持・減薬調整等コントロールが難しい薬です。
しかし、医師の処方に従って適切に使うなら、ステロイド薬は強力な武器になります。

「なんとなく怖いから」「快方に向かったから」などの自己判断で断薬したりすると症状が悪化したり、思わぬトラブルの原因となります。
指定された量を指定された期間きちんと飲み続けることが求められます。

免疫抑制薬

他の治療で十分な効果が得られず、強い炎症を伴う湿疹が広範囲に広がっている場合、免疫抑制薬の内服を行うことがあります。
ただし、16歳以上で、連続して使えるのは最大3ヶ月です。

また、服用中は血圧上昇、腎機能の低下がおこることがあります。
免疫を抑制するわけですから感染症にかかりやすくもなります。

シクロスポリン内服療法

アトピー性皮膚炎治療の強力な選択肢として、日本でも2008年に承認されました。
TDM(薬物血中濃度測定)を続けることが必要です。
今後に期待したい治療法です。

漢方薬

西洋薬と併用・補助的に使われます。
炎症やかゆみを抑える効果があります。
副作用が少なく、一定の有効性が確認されています。

アトピーとアレルギー

アトピーとは「奇妙な、よく分からない」、アレルギーとは「異なった反応」という意味で、医学的にはアトピーはアレルギーのなかの一部に含まれます。

アレルギーが証明されないアトピーもあり、その場合アレルギーではありません。

アトピー=アレルギーではないのです。

アレルギーかどうかは検査で調べることができるので、医師に診断してもらうことが大切です。

ステロイドは怖い?

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たしかに、ステロイドはコントロールに注意のいるお薬であり、副作用も起こりやすいお薬でもあります。ですが同時に、この上なく頼もしい切り札でもあります。

例えば膠原病。
昔は即死に至る病でしたが、ステロイドが開発されてからは5年生存率は90%を超えるようになりました。

使わなくて済むなら使わなくていい。
しかし、使うべき時に使うのを躊躇する必要はないのではないでしょうか? 

ステロイドは切れ味の良いハサミのようなものです。
手を傷付けるかもしれない、というだけで、一切ハサミやカッター、包丁を使うのをやめるというのは極端です。
火事になるから、といって火そのものを止めてしまうのはどうでしょう?

ステロイドには優れた点がいくらもあります。
同時に欠点も持ち合わせています。
医師はその優れた点を最大限利用し、欠点をできるだけうまくかわす、そういった方法を知っています。

正しく使えば、ステロイドはアトピーにとって最強の切り札となるお薬です。
心配もわかります。
そこは、お医者さんと十分話し合って、アトピーに立ち向かいましょう!

ステロイドのプロアクティブ療法

アトピー性皮膚炎には急性期と慢性期で治療の仕方が違います。
今まではステロイドは急性期に十分な強さと量を投与し、落ち着いたらストップする「リアクティブ(Reactive)療法」が中心でした。

しかしアトピー性皮膚炎は表面上治ったように見えても、水面下で病変が続いているものです。
そのためリアクティブ療法では、再発・悪化することが少なくありませんでした。

そこで、表面上の病状が落ち着いても、毎日2回使用していたものを、病状に合わせて毎日1回、隔日1回、週に2回、と、1~2週間ごとにゆっくり減らしていく「プロアクティブ(Proactive)療法」が主流になってきました。

ステロイドのプロアクティブ療法

この方法で、再燃率が半分以下、再燃の際の重症化率低下が実現されています。

ステロイド外用薬で皮膚が黒くなる?

皮膚はかゆみを伴う湿疹などの炎症が起こるとまず赤色化し、次第に色が黒くなります。これを「炎症後色素沈着」といいます。

これは皮膚の通常の反応で、ステロイドのせいではありません。ステロイドで炎症が収まったから、色素沈着が起きたのです。

湿疹などの炎症が起きてしまえば、程度の差はあれ色素沈着は起きます。むしろ、強度の炎症にステロイドを使わず長引けば、さらに色素沈着は強く出ます。

いろいろ不安がられるステロイドですが、正しく使えば、より病気とうまく付き合っていく頼もしい「相棒」になってくれるでしょう。

この内容で送信します。よろしいですか?